「バードカービング大賞」「文部科学大臣賞」を受賞して
私は、見る人の感性に触れる作品を作ることを目標に、「光りと影」を意識しています。
光と影で作品の季節、時刻、温度などを表現するとともに
鳥の内面まで伝えられたらいいなぁと考えています。
昨年の「朝焼け」では朝焼けを浴びて飛翔するコサギをモチーフにし透けて
見える風切羽根を描いてゆったりと飛ぶコサギを表現しました。
今回の「朝焼け2」では「逆光と照り返し」のコサギをモチーフにしました。
コサギはバードウォッチングでもよく見かけますが、
朝焼けを背から浴びて魚を探しながらゆっくり歩くコサギを見るとなると
この状況と出会うのは難しいのでイメージを膨らませての制作でした。
アイデアを練っている時にやりたいと思った、朝焼けを浴びた明部とコサギ自身
に作る陰の暗部との対比、コサギが水面に作る影の表現、
水面から反射する淡い光で光る腹などは一応形になりました。
コサギの彩色は固有色の白色ではなく朝焼を意識した彩色でしたからとても楽しめました。
また、背景にあろうはずのアシは作らずに足元に揺らめく葦の影を描くことで
コサギの後ろには葦原があることを伝えようと試みました。
作りすぎずシンプルにしても、コサギが湖沼を小魚を探しながら歩いていることが伝われば幸いです。
